お前が生まれた日(凌操)














※ツイッターより転載した分に、加筆・修正を加えたもので、凌操の1人喋りです。





















「聞いてくれ!昨日俺に息子が生まれたんだ!自分のガキって実感がねぇけどよ、顔を見てたらすんげー可愛くて、高い高いしてやったのな。そしたら弾みで桶に落としちまって・・・でもあいつ、無傷だったんだ。それに笑ってた。肝座ってるだろ?きっといい武人になる。いい名前、つけてやらなきゃなあ。








「おい!息子の名前、つけたぜぇ〜。公績ってつけた。名前は統だ。こんな乱世真っ直中に生まれちまったからなあ・・・筋道通す男になってほしくてさ。へへっ。早くあいつと船に乗りてえな!!」








「ああ、お前か・・・。いや、あのさ。俺の奥さん・・・死んじまったんだ。産後の肥立ちが悪かったんだと。・・・あいつも公績のこと、もっと抱いてやりたかっただろうなぁ・・・。俺が公績を立派にしてやらなくちゃな。いい親父にならなくちゃな・・・。」








「おい!今日凄いことがあったんだ!阿統がな、俺のこと「父上」って呼んだんだ!初めて話した言葉が父上だぞ!?嬉しくて江に連れて行ったら、あいつを江に落としちまった。これできっと、阿統も泳ぎが得意になるな!」








「揚州のお偉いさんから徴集が来た・・・。明日から戦だ。子どもってそういう空気分かるのかな。いつも自分の部屋で寝てるのに、阿統の奴”今日は父上と一緒に寝る”って言ってきた。寝る前に、奴の母親の髪留め、持たせてやったよ。生きて戻らないといけないな。」








「遠征出発だ・・・。阿統が離れなくて、後ろをついて来るから困った。しかも大号泣だ。鎧姿の俺を見るのは初めてじゃないんだがなあ。でも、仕方ないか。阿統を抱きあげて、目いっぱい頭を撫でてやった。それで言った。俺だって阿統と離れるのは嫌だって、ちゃんと留守を守っててくれ、お前も男だろ?って。・・・早くあいつと一緒に戦場を共にしたいな。」








「戻ったぜー!!久しぶりの我が家だ!阿統も少し大きくなって、”父上、おかえりなさい。お疲れ様でした。”だってよー!!かぁわぁい〜い〜!!・・・いやいや、息子に出迎えられるのは新鮮でいいな。暫くは阿統と一緒にいることにしよう。しかし今回見た孫策って奴、凄い武だったな・・・。」








「最近は統と一緒に船に乗って、水の流れや船の扱いを教えてやっている。櫂の漕ぎ方を教えているうち、また統を江に落としてしまった。でも統は、今回は自分から泳いで上がってきたぞ!自分で泳ぎを見につけたようだ!・・・しかし統は年を重ねるごとに段々母親に似てくるなあ・・・。」








「統と喧嘩をした。一緒に釣りに行って、どっちが大物を仕留められるか勝負をしたんだ。これがどっちも、捕った魚が同じくらいでな・・・。川辺で親子喧嘩をしてしまった。俺も大人げなかったかな。しかし統は負けん気が強いな。いい方向に働けば、将軍になれるぞ!」








「今日初めて統に武器を持たせた。色々試させてみたが、どうやら棍と相性がいいらしい、統は足も速いし・・・上手く立ち回れば戦で活躍できる。しかし槍が重たくて持てなかったのは、少し情けなかったぞ。体力をつけさせねばなるまい。」








「武器を持たせる直前に、統にはじめてのおつかいをさせた。村の鍛冶場に頼んだ俺の剣を受け取ってくるのと、料理屋で肉まんを買ってくるようにな。帰りは夕暮れ近くになって、転んだのか肉まんも潰れていたがな・・・。よく帰ってきた。久しぶりに泣いた。」








「孫策殿が旗揚げすると聞いた。・・・決めた。俺は決めたぞ。孫策殿に士官する。孫策殿は天下を見ている。天下など夢にも思わなかったが、その理想を聞いて俺はわくわくしたんだ!孫家は揚州の古くの豪族、だから俺も孫策殿と天下を目指す!そこにいつか統も加わって・・・ああ、本当に楽しみだな!統が生まれる時のことを思い出すな!」








「今日は統を連れて、孫策殿に挨拶に行った。統め、人見知りをおこしてちゃんと挨拶できてなかったな。あれでは駄目だ。家に帰ってきてから、統が見てくれというので奴の体術を見た。大人の俺から見ても統の体術は中々だった。あの体術と両節棍なんかを組み合わせれば・・・。しかし最近統は成長期なのか、急激に背が伸びてきた。」








「統に”父上、髭を生やされたんですね!かっこいいです!”と言われた。息子にかっこいいと言われるのは何より気分がいいな!父として、あいつに恥じぬようこれから俺は十分に働くぞ!孫策殿の元には素晴らしい将が沢山揃っている。俺はそのことに気付けてよかった。統に少しでもいい未来がやってくるように、まずは認めてもらわねば。」








「最近戦ばかりで統に会えていない・・・。武の鍛錬は怠っていないか、とても心配だ。俺の息子ならば大丈夫だろうがな!それに!俺も永平の太守を任されたんだ!!これは早く統に知らせてやりたい。どんどん国が変わるのが分かる。統の初陣も考えねば・・・。」








「なんてことだ・・・。孫策様が亡くなられた・・・。暗殺だそうだ。かくも勇敢な士も、あっけなく死んでしまうものなのだな・・・。しかし、我らはまだ倒れぬ。孫権様がいるし、黄蓋殿も周瑜殿も太史慈殿もいる!この間、一緒に酒を飲んだ呂蒙という男も実に勇猛なことよ!・・・早く統に会いたいな。」








「統の初陣を決めた。黄祖討伐に一緒に出陣しようと思う。黄祖は孫堅殿の敵。ここで武勲を積めば、大いに昇進するだろう。それから久しぶりに邸に帰った。・・・統、俺より背が高くなって・・・。いい男になったな。その姿を見ただけでも、天下が近づいたような気がする。そのあと久しぶりに親子で碁を打ったけれど、統をこてんぱんにぶちのめした。碁の腕はまだまだだな!」
















(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・統、・・・・・・・・・・・・・・・・・・どこに居る、統・・・・・・先鋒でい続けているか・・・?・・・・・・・・・お前は・・・筋道を通せ・・・決して目を逸らすな・・・・・・・・・ああ、お前が生まれた日の空は・・・何色だったかな・・・・・・・・・)








6月10日が凌統の日と聞いたのですが当日は何もできず、翌日の6月11日に、凌操パパが延々と前日に生まれた息子のことを語っていたらいいじゃないと、なかばゆるく始めたツイートが元ネタです。
最初は父上の子煩悩っぷりとドジっ子ぶりをどう書こうかなーと思っていたのが、途中から乱世の持つ引力に急速に引き寄せられていく感じを出しつつ、親子っぷりを出すように努めました。
親の仇を討たないと親不孝と言われる時代でも、凌操が凌統のことを愛していないと、凌統はあんなに甘寧を憎まないと思って・・・。
だから、特に夏口ですけど、甘凌ばかりに囚われて凌操が置き去りになってるのは少し悲しいかな・・・って、思います。
始まりは夏口。父上の死。大好きな大好きな父上の死。
凌親子の絆を断ち切るように割って入ってきた甘寧が、凌統と新たに絆を結んでいくっていうのが、いいんだろうなぁ。
無双設定で、甘寧が凌操を殺さなければ、甘寧と凌統は普通の同僚で、普通にライバルなんだろうな。・・・それでも、凌統はツンツンしていそうですけどw
普通に、互いしか見ていない甘凌も大好きですけどね!w