みちづれ(飼い主甘寧×猫耳凌統)









※R−18























甘寧は猫を飼い始めていた。

“てめぇ、何モンだ?”
“俺?ああ、猫だけど?”
“猫がどうして話やがる。”
“えぇ?知らないよ。それよりあんた、俺を拾ってくれたんだろ?感謝しますよ、ご主人さ・ま。”

以上、その猫との初めてのやりとりである。
ある日の夜、酒盛りから帰ってきたら邸の入り口の前で眠りこけていた奴の首には、“凌統”と名札が下がっていたので、捨て猫のようだった。
鈴の甘寧様の邸の前に、猫を捨てようと思ったその根性には敬服する。ただの猫ならば、甘寧はすぐにでも拾って使用人にでも預けてしまうところだったが、おかしな見た目に、どうしようかと暫し考えてしまった。
猫というより、人の形をしているのだ。
見た目で猫らしい箇所といえば、頭に生えた大きな耳と、尻から生えている長い尾のみ。
耳に指を近づけてみると、邪魔だと言いたげにぴるぴると小刻みに振ってみせるが、起きる様子はない。
ずっと邸の前でそうしているわけにもいかないし、猫だか人だか分からないそれが目覚めて暴れ始めたならば退治しなくてはならない。
仕方なく、甘寧はそれを邸の中に運んだ。



凌統の性格は実に猫だった。
滑るように口から出る悪態はまさしく人間のそれで、服だってちゃんと人のものを着るが、いきなり寝台を我が物顔で占領しながら話してみたり、腹が減った時だけ寄ってきたり、喉を撫でてやると気持ち良さそうな顔をしたり。
また、人語が通じる所は気持ちを伝えるにあたって便利であった。でかい猫だと思えば、それなりに可愛いと思えたし。
そんな凌統と暮らし始めて約半年。
最近凌統の様子がおかしい。
心ここにあらず、窓の外をぼんやりと眺めては、そわそわと落ち着きなくしている。
躾はなっているので変なものを拾い食いするタチでもないし・・・。
だから甘寧は、練兵が終わったその足で邸に戻り、凌統の様子を見に帰ってみた。

邸に帰って部屋に入るなり、突然凌統が跳びかかってきて押し倒された。

「な、なんだなんだぁ!?」

勢いで軽く後頭部を床にぶつけて、目の周りに星が飛んだのをなんとかやりすごし、甘寧は自分の上に跨る凌統を見た。
こちらを見下す瞳は妖しく光り、赤い舌をほんの僅かに出して下唇を舐めあげる。

「お前、具合は・・・?」
「ああ。そのことなんだけどさ。俺、最近の具合の悪さの原因が判ったんだよねぇ。」
「けど、随分元気みてぇじゃねえか。」
「ああ、違う意味で元気。どうやら発情期が来たみたいだ。だから、掘らせな!」

発情期。
その言葉を聞いて、嫌に納得した。
近頃城でも猫が酷い鳴き声で異性を誘っている風景を見かけたが、そうか、こいつも春が来たのか。いやだけど俺は女じゃねーぞ、と思いながらも凌統の手は止まらない。
甘寧はやれやれと目の前に広がる石天井を見つめた。
再び凌統に目をやる。凌統は己の帯に手をかけている。
凌統は下履きを履いておらず、上衣の隙間から活きのいい足がすらりと伸びていて、股間は丁度上衣の前垂れに隠れていて見えないが、欲を主張する山がしっかりとできていた。そんな場所も立派に人の作りをしているとは、本当にこいつは何なんだ。
布越しに感じる凌統の体温は熱く火照り、表情もほんのりと桃色に染まり、右目の泣き黒子が欲の種のようで・・・大変美味しそうだ。

「ぅあ!?」

凌統が下帯の結び目を解くのに夢中になっている所に、甘寧は気づかれないように凌統の股間にするりと手を差し入れ、それを直に握りこんだ。

「あっ、何すんだって、離せ!」
「あぁ?誘ってきたのはてめぇだろ。」
「あ、ぁ・・・待っ・・・」

甘寧は言うのが早いか、凌統の雄を上下に動かし始めた。とても熱く、ドクドクと脈打つのが分かるそれは、しっかり成熟している鈴口から歓喜の蜜を次々と溢れさせ、卑猥な音をあたりに撒き散らす。
突然の刺激に、凌統は大きく背中をのけ反らせて体を震わせた。
だが、既に出来上がっている体は、快感を堪能する間もなく少ししか愛でていないのにあっけなく果てて、甘寧の腹筋から鳩尾にかけて、熱い体液を飛び散らせた。

「あ・・・」

前のめりに倒れそうになった凌統の体を甘寧は腕を突っ張って支えてやる。
凌統がゆっくり顔を上げた。
瞳には妖しい炎が灯ったままで、まだ足りないと切なげに甘寧の胸板に掌を這わせ、無言のまま続きをせがんだ。
時折腹に当たる凌統自身は、精を吐き出したばかりだというのに未だ天を向いている。
見事に盛っているなとどこか冷静に思った甘寧は、凌統が出した白い物を指で掬い取って口に突っ込んでやると、美味しそうにしゃぶりはじめた。
尻から生えているしっぽが、くねくねと怪しい弧を描いている。
その様子は、猛々しい雄猫というより・・・雄を誘っている雌猫の動きだ。

「ん・・・。」
「・・・お前よ。」
「?」
「突っ込むより、突っ込まれるほうが好きだろ?」

すると、凌統は甘寧の掌にねとりと舌を這わせながら笑った。

「あは、バレちまったか。・・・俺はどっちもイイんだけどさ、・・・うん、だから、あんたの俺に突っ込んでくれよ。」

・・・。
そうか、猫だもんな。欲に忠実なのは当たり前だ。
でも、そんな獣の戯れに付き合っていられるほど、甘寧は暇ではなかった。
これから野郎共と飲みに行く約束をしているのだ。一旦帰ってきたのは、凌統の様子を見に来ただけであり、一応元気ならば・・・むしろ楽しめる要素満載ならば、焦らすのもありだろう。
丁度自分の斜め後ろあたりに、二節棍が横たわっている。
数日前に凌統に与えた玩具だ。
飼い主の権限を、ここいらで教え込んでおかねば。
凌統にいいように弄ばれている腕を乱暴に振り払うと、身を起こした。
途端に目の前の盛っている猫は不服そうに睨みつけてくる。

「なんだよ・・・アンタ、相手してくれるんじゃねえのかよ。」
「おう、俺はこれから野郎共と飲みに行く約束してんだ。」
「ああ、そう。んじゃあ俺はその辺の奴ひっかけてくるとしますか。」
「飼い主の俺がそんなこと許すと思ってるかよ?」
「はあ?だってあんた、外に出るんだろ?俺はどうすればいいんだっての。このままあんたを待ってるなんて、御免だね。」
「わかってねえなぁ。」

凌統があっさりと甘寧から離れようとした時、甘寧は凌統を突き飛ばし、石床に思い切り叩きつけるように組み敷いた。 ぐ、と凌統の喉が鳴った音が聞こえる。 でも甘寧はそんなことなど無視し、凌統の腕を強く引っ張りあげて、寝台の上に放り投げた。

「お前は、俺の帰りを大人しーく待ってればいいんだよ。」

何か叫ぼうと身を起こしかけた凌統に跨り、自分の額に巻いている赤い巾で凌統の腕を強く縛り付ける。
そのまま手早く凌統の足を大きく広げ、己の鈴を結わえている紐で、寝台の天蓋を支える柱にそれぞれの脚を結わえつけて、固定してしまった。
そうなると、凌統は脚を閉じたくても閉じられない恰好になって、締めに覇海で凌統の服の前を切り裂いた。
それでも凌統は、これを解けといわんばかりに強く手足を引っ張ってもがく。

「暴れるんじゃねえ、いい眺めが台無しだろ。」
「るせえ!早くこれ解きな!食い込んで痛ぇっつの!」
「おう、もがけばもがく程食い込む結び方したからな。」
「冗談じゃないよ・・・俺も外行ってくるって、ぁ、」

煩い猫を黙らせるにはその欲を満たすのが最善である。
甘寧は再び凌統の脚の間に入り込み、未だ張り詰める凌統自身に唇を這わせた。
待ちに待った快感に凌統は背筋を大きく震わせて、甘寧のがさついた唇をもっと感じたいと小さく腰を揺らす。

「ん・・・あ!?」

突然、冷たいものが菊座に当たった。
何があったと確認する術なく、冷たく硬い何かは凌統の内壁を無理矢理分け入ってくる。
それでも快楽は背中を昇り、脳髄を満たしてゆく。
快楽与えてくれるならば何でもいい、恐怖を感じる前に受け入れてしまおうというつもりで力を抜いたら、丁度イイ場所に当たる直前で止まってしまった。
凌統は目に涙を溜めて、浅い息をしながら甘寧に訴える。

「あっ・・・ぁ・・・てめぇ、何だこれっ・・・!」
「あぁん?だから、俺はこれから出かけてくるからよ、お前は二節棍で遊んでろ。でも一人で遊びすぎちゃあいけねえからな。」
「ん・・・待、て」

凌統の声もむなしく、甘寧はそのまま寝台から降り、何事もなかったかのように部屋から出て行ってしまった。






すっかり夜も更け、甘寧は気持ちよい酔い加減のまま、帰路についていた。
空には空を切り裂いたような半月が浮かんでいる。
明るい夜空をもっとよく見ようと空を仰いでみたが、いつも額を覆っている巾がないため、前髪が邪魔してうまく見ることができず、少しばかり顔を顰めた。
さて、あいつはどうしているか。
邸に着いてそのまま寝室に戻ってみると、妙に静かであった。
窓から注ぐ月光は、寝台と凌統の四肢を青白く照らしていて、無意識のうちに舌舐めずりをする。
だが、凌統はぴくりとも動かなかった。
こちらの気配を感じ取っているはずだが、四肢は勿論のこと、頭も大きな茶色の耳すらも動かさない。
眠っているのかと耳を澄ましてみると、静寂の中に浅い息が小さく聞こえていた。

「おい。」

近づいてみると、凌統は酷く疲れた顔をして天井を見つめていた。
濁った瞳。色に狂ったかと思ったが、甘寧の姿を捉えると小さく息をついたので、安堵する。
何となく、凌統が来た時から今までのことを思い出した。
凌統が来てから自分がやった世話というのは、あちらから体を摺り寄せてきたら撫ぜてやったり、時々餌をくれてやる程度だった。
凌統もそれでよしと思っている所もある。
だから、凌統を可愛がっていたとは言えなかったが、思えば、餌をくれてやればいつも自分の隣でそれを食べていたし、日中は姿を消していても甘寧が邸にいる日は寝室にやってきて、一緒に眠る。
そして、発情期を知って真っ先にこちらにやってきたのだ。

(可愛がってやらなくちゃなあ?)

寝台を軋ませながら顔を近づけ、唇を重ねてみる。
舌を入れてみると、凌統の唇の奥は熱いままで、弱弱しくも舌を絡ませようとしてきた。
未だ二節棍を銜えている下の口も、奥で炎が燻っているままだろう。

「は・・・」
「・・・っおい、まぁだイケんだろ?」

凌統は、茶色のしっぽを弱弱しく動かしながら、コレがほしいといわんばかりに甘寧の股間をまさぐって小さく笑った。

「・・・上等。」

甘寧は凌統の尻に手をやり、自身の箍を外すように二節棍を抜いて床に放った。






今は夜のどのあたりだろうかと甘寧は考えている。
先程から月はどれくらい傾いただろうか。
どうでもいい、夜は長い。楽しむ時間はいくらでもある。
そう自分に言い聞かせるように、目の前で己の雄を銜えこんでいる凌統を眺めながら逸る心を抑えた。
凌統は、下手だった。
先程から歯が当たるし、唇の締まりも今一つ。舌先もイイ所には当たらないし、これならば早々に突っ込んで果ててしまったほうがまだマシだ。
そうしないのは、ただ単に甘寧からの眺めが爽快であったからだ。

目の前で、凌統の嚢が揺れている。
凌統は、己の顔を跨ぎながら必死に甘寧に奉仕している最中で、少しも離そうとしない。
口に銜えたり、手で扱いたり、先端をこじ開けるように舌を押し付けたり。まるで自分にもそうしてほしいと言うように、嬉しそうに腰をくねらせているから甘寧も退屈しない。
目の前に揺れる凌統自身は天を向いて先走りが溢れ落ち、甘寧の首筋を濡らしている。
そっと尻を撫でてやると、二節棍を銜えこんで赤くなってしまった菊のすぼまりが、物欲しげにヒクヒクと動いていた。
さらにその上のほうでくねっている長い尾は、まるで前と後ろに性器が生えているようで、背徳感を煽って実に心地好い。
形のいい尻を撫で上げ、尾を根元からわしづかむと、凌統は息を潜めて次を待つ。

「う、ん・・・あ!」

そのまま、人差し指を差し込んでやると一瞬背中が大きく反り返る。が、すぐに縮こまり、甘寧自身を握りこんだまま小刻みに震えだす。

「おら、手が止まってんぞ。」
「あ・・・あ、だって、あ、」
「俺より先にイったら今日はこのまま終わりだからな。」

甘寧の声に凌統はそろそろと身を屈めて、再び甘寧自身を口に含んだ。
ぴちゃ、と、湿った音が壁を這う。
まるで理性が溶けていく音のようだと思ったが、元々甘寧は理性や本性など関係のない所で生きている。凌統などは獣だ。

「んんっ!!」

甘寧はおもむろに凌統の頭に腕をのばし、上から頭を押しつけながら腰を激しく突き動かしはじめた。
突然喉奥を突き上げられた凌統は、あまりもの質量が喉に迫ったものだから、咳込もうとしたけれど、甘寧はそうさせてくれない。

「っ!、・・・んんっ!」

動きに合わせて寝台が酷く軋む。眉間に皺を寄せている凌統の表情が見えた。
一気に高まる熱、上り詰める。
凌統の中にある指をかき混ぜる。
上に跨る背中が震え、腿が濡れた。
同時に甘寧は凌統の束髪を乱暴に引っ張って自身を凌統の口から引き離すと、凌統の顔に欲を叩きつけた。

「あ・・・」

甘寧は身を起こし、背後から凌統の顎を掴んで無理矢理後ろを振り向かせた。
鼻筋や唇にかかった白い液ごと唇を貪る。
凌統は切羽詰まった吐息を含みながら舌を出し、本能が趣くままに甘寧に唇を押し付けてくる。
その指先は再び甘寧自身に絡んで、早くくれとねだるので、甘寧は凌統の唇を吸ったまま、後ろから突きあげた。
凌統の体が痙攣した。
すぐに奥深くへと進み、小さく揺さぶる。それだけで凌統の中はすぐにでも達してしまいそうなほどに委縮して甘寧をきつく包み込む。

「ッあ、ぁ、あ、」
「・・・おい。」
「んぅ、ん・・・あ、」
「おいって、聞いてんのかよ。」
「はぁ・・・?」
「お前の発情期って・・・いつまで続くんだ?」

後ろから、凌統の口元が上がったのが見えた。

「・・・さあね。」

その言葉が応えになっているかどうか、甘寧もわからない。
ただ目の前の肉欲を貪るだけだ。
凌統などは既に自分から腰を振っている。
ああ、コイツ、なんかいい匂いするな。
甘いような、温かいような、肌の匂い。
唇を押しあてながら匂いを辿り、着いた先は首筋だった。
べろりと首の骨を辿るように舐めあげ、凌統が鳴いて中を縮める。
強烈な締めつけに甘寧も翻弄されそうになった所をなんとか堪る。
しかし、己の限界も近いことを思い知った。
なのに、追い打ちをかけるように凌統が名前を言いながら喘ぎはじめたので堪らない。
甘寧は凌統の前に手を伸ばして、赤く張り詰めるそれを手にして大きく揺さぶり始めた。

「はっ、ぁ、か・・・甘、ね・・・」
「・・・ん。」
「甘・・・甘寧、っか、ね・・・」
「ん。」
「あ、ぁ・・・あっ、ぁ、ああぁ」





いつ眠りについたのか、気がつけば窓から見えたのは月ではなく太陽であった。
窓から差し込む光が、寝返りを打った時に瞼に強く当たり、甘寧は目を覚ました。
腰が痛い。
部屋に雄の匂いが籠っているし、大きく息を吸うことも遠慮したかった。
けれど、その中に凌統の匂いが混ざっているのが心地いいと思えたから、甘寧は自分に呆れてしまう。
隣には、スヤスヤと満足げな表情で眠っている凌統がいる。

「・・・まあ、可愛いっちゃ可愛いか。」

丸くなって眠る猫の耳を一撫で、また起きたら発情期は治まっているのだろうか。
・・・いや、そんなこともないな、と、凌統の股間で未だ半勃ちのまま控えているそれを見て、甘寧はつい苦笑いを漏らした。

(やっぱ化け猫なんじゃねえか?)

そうだとしたら、こんな奴の遺伝子が孫呉中に振り撒かれたりしたら。
自分も飼い主として、責任を問われるだろう。
ここはしっかり・・・処理してやらなくては。
甘寧は、自分の身を案じながら大きく欠伸をして再び眠りにつくことにした。





某様より「飼い主甘寧×猫耳凌統!」というリクエストを賜りました。
(というか私から”書かせてください!”とお願いしたのです。)
気づいたら猫耳だけではなく、どうしてか69、器具、縛り。盛りだくさんになりました。
久しぶりにがっつりとエロいのを楽しく書いたのですが、いかがでしょうか;
書いててこっちが精気吸い取られて、凌統勘弁してくれと何度思ったことか。
たまにはこんなのもアリですかね。
S様、リクエストありがとうございました!