ヘブンズトラップ※おまけ








最後の客がパーマであり、さらに閉店後に陸遜の盛り髪の練習に半ば強制的に付き合わされ(曰く、髪が長くて金髪なので丁度よく、ボリュームもあるので盛り甲斐があるのだそうだ。)、すっかり遅い帰宅となってしまった。

「ただいま〜。」

ドアを開けた瞬間に漂ってきたのは酒のにおい。
凌統は一人でよく晩酌をしているが、玄関先まで酒の匂いが漂う程まで飲むのは稀である。
何かあったのかとは思うのは当然だが、この時間とこの酒量では既に寝ているかもしれない。
リビングに向かえば向かう程濃くなる強烈な酒の匂い、テーブルの上やその周辺に転がる空き瓶の数を見て納得した。
しかし当の凌統の姿はそこにはなく、風呂やトイレに入っている音もない。
凌統の寝室に行っても凌統はいない。しかし玄関先には、でかい靴がちゃんと2足揃っている。
となると、あまり入らない自分の部屋だが・・・。

甘寧は自分の部屋を開けると仰天した。
赤い顔をした凌統が自分の布団の上ですやすやと眠っている。
しかしその姿が問題だ。
露出した下半身。右手には、乾きかけた白い液。

「おいおいおい・・・。どういうことだよ。」

傍らに座って白に塗れた右手をとって唇をよせる。
酒の匂いが籠る中に、身体に染みつくほどに知っている凌統の匂いが強くして、押し殺すように深く息をついた。
凌統がこの部屋に寝ていることは今まで一度もなかった。
甘寧自身、凌統が出張の時に時々眠ったり、着替えをするのに入るくらいに使っている程度だったのに。
・・・俺を辿って見つけたのがここだっていうのかよ。
握る手に力が籠った。
凌統が、真一文字に結んだ唇を薄く開く。
いつもこれくらい可愛くしてれば・・・いや、お前はそんなことしねぇか。

(ま、目が覚めたら死ぬほど可愛がってやるからよ。)

酒臭くてまったく凌統の匂いがしないと、甘寧は酔って熱く火照った唇に舌を差し入れながら貪った。









そりゃあビックリしますよね。